ニコラス・ワプショット 「ケインズかハイエクか」 新潮文庫

 この二人の論争はかなり有名らしい。ケインズはともかくオーストリア経済学派のハイエクはまったく知らなかった。オーストリア学派までは知っていた。視点の違う二人の考えは将来、マクロ経済学とミクロ経済学、大きい政府と小さい政府と別れていく。私がこの本を読もうと思ったのはアメリカのティー・パーティー運動などの理論的背景にこの二人の絡みがあるとい…
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宮川裕章 「フランス現代史 隠された記憶」 ちくま新書

 歴史書というよりフランス特派員による取材レポートというかんじ。大戦以降の問題でフランス人が触れたがらない話や事件で現代のフランス人のアイデンティティに関わることを追及している。現在も生存されている方々も取材している。フランスからの報道を聞くとき、もう少し読み解き出来るようになるかも。 フランス現代史 隠された記憶: 戦争のタ…
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プリーモ・レーヴィ 「休戦」 岩波文庫

 著者の小説「天使の蝶」を読んで変な作家だなあと思って、小説とは違う著者の半身、アウシュビッツの本を読んでみようと思った。しかしさすがにアウシュビッツはヘビーなので、著者がアウシュビッツから生き延びて故郷のイタリアに帰りつく帰還を扱った「休戦」を先に読んでみた。  とにかくアウシュビッツを出たらイタリアのある西ではなく東に連れて行かれ…
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ベアトリス・フォンタネル 「ドレスの下の歴史」 原書房

 視点が違った。この本の著者は体の内側から、肉体側から下着を見ている。私はもっと単純に「The 下着」で具体的なものを期待していた。出来れば型紙がほしいぐらいだ。この辺はネットで注文して本屋で確認しなかったので致し方ない。副題に「女性の衣装と身体の2000年」とあるように男性の下着はない。張り子や工場労働者の女性の下着の話もほとんどない…
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プリーモ・レーヴィ 「天使の蝶」 光文社古典新訳文庫

 この作者のことは何も知らなかった。小説のこととなると無知だ。系統だって読もうという気はあるが体力と時間がない。なんとなくふらふらと惹かれて買ってしまった。  変な作家だ。嘘か真かわからん話が書かれている。奇妙譚とでもいうのかしら。人は死に邪魔されて天使に変態できないでいるとか。人の経験を再体験する装置の話などはよくあるけれど、その体…
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フロリアン・カジョリ 「初等数学史」 ちくま学芸文庫

 数学史の本としては1896年の発行でかなり旧い(改訂は1916年)。しかし大抵の数学史の本が現代的な代数表記でその時代の内容を伝えて終わってしまっているのに、その当時の表記とともに具体的な演算、特にその演算手順まで載せているという特徴がある。訳者注も影響されてか詳しい。これはとてもうれしい。古代・中世篇と近世の前半までなかなかよい。近…
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田辺聖子 「古川柳おちぼひろい」 講談社文庫

 映像関係には多少強いと思うのだが、言葉や音が絡むものは小さいときからどうも縁がない。詩とかになるともうダメです。それでも人間、あがくものでぽつりぽつりとそれらしきものに手を出しています。そこでまあ川柳ぐらいならと読んでみたのがこの本。選者が好きで選んだ句が解説付きで載っているので私でも楽しめた。選者自身が楽しみながら句を集めていること…
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ジョージ・オーウェル 「カタロニア讃歌」 岩波文庫

 「カタロニア讃歌」、おー有名なタイトルだなあと買ってみた。迂闊にもスペイン市民戦争下の話だと知らなかった。ソ連共産党下の影響で民兵組織が解体されていく過程の話は、ソビエト社会主義、中国共産主義、というよりソ連共産党、中国共産党の幻影を信じ込まされていた世代としては身につまされる内容だった。最後にジョージ・オーウェル、おー、「1984」…
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佐藤克文・森阪匡道 「サボり上手な動物たち」 岩波書店

 岩波科学ライブラリー・シリーズの一冊。タイトルに惹かれて買った一冊。海の動物に種々の観測装置を取り付けて動物たちの日常的な動きを追いかけた記録。もともとは最長潜水時間や最大深度を計ろうとしたのだけれど、無駄なことはしないという予想外な行動パターンを発見したという話。なかなかわからない動物たちの海の中での生活というのが垣間見れる貴重な一…
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中村士 「東洋天文学史」 丸善

 マイケル・ホスキンの「西洋天文学史」の翻訳者がこの本の姉妹本として出した本。前著のような比較的詳しい理論的な説明はほとんどない。後半の日本の天文史はほとんど人物史に近い。しかし前半のインド、中国、韓国、東南アジアの天文学の紹介を含め東方アジアの天文学史はめずらしくそれなりに読みごたえがある。著者の目論見通り「西洋天文学史」と合わせて読…
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マイケル・ホスキン 「西洋天文学史」 丸善

 この本はオックスフォード大学出版局のA Very Short Introductionシリーズの一冊。シリーズ名通り実に薄い本だが内容はよくまとまっていて意外と濃い。入門書レベルでプトレマイオス(トレミー)のエカント点のちゃんとした説明をこの本以外で読んだことはない。エカント点は離心円の反対側の点で、円周上の点と二つの点を結ぶと常に線…
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リチャード・ベッセル 「ナチスの戦争 1918-1949」 中公新書

 ナチスの生まれる背景として第一次世界大戦でのドイツの敗戦から始まって、ヒトラーの自殺以降のドイツでのナチズムの扱われかたまでを対象に、人種という観点で考察している書。  歴史的な経緯を追いかける書を読んでいるとどうも実感がわかない。しかし最初にヒトラーの「我が闘争」を読んでいたのでヒトラーの考え方と肉声が聞こえてきてなるほどと思える…
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ジョージ・G・スピーロ 「ケプラー予想」 新潮社

 数学界の難問中の難問のひとつ、ケプラーの「一個の球のまわりに十二個の球を配置したものは、可能なかぎりもっとも稠密な充填方法である」という予想がようやっと証明された顛末が書かれた本。なにせ400年も完全証明にかかったので話は長い。証明の仕方も長い。あんまりに手間のかかる証明なのでコンピュータの手助けを借りたぐらいだ。これが大問題になった…
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山口恒夫 監修 「昆虫はスーパー脳」 技術評論社

 これはなかなか面白い。昔昆虫の話というと動物行動学的な、つまり観察が主の話が多かったのだけれども、ここでの話は神経を実験的に扱っていてかなりの神経ネットワークのことがわかってきたことがわかる。実際の研究は発表年代を見ると昔からこつこつと研究されていたことが分かるが、やはり実験装置、観測機器、生化学的な分析や遺伝情報、遺伝操作の手法の確…
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クローカー編 「グリムが案内するケルトの妖精たちの世界」 草思社

 南アイルランド生まれのトマス・C・クローカーが若いときに南アイルランドをまわって集めた話などをまとめて1825年に出した「南アイルランドの妖精物語と伝説」が原本。邦題のタイトルがややこしいけれど、内容はこの本を翻訳したもの。グリム兄弟の名がでてくるのは、原本の本が気に入った兄弟がドイツ語にすぐ翻訳してドイツで出版したのだが、その際収集…
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ロナルド・タカキ 「パウ・ハナ」 刀水書房

 明治からハワイにかなりの日本人移民や出稼ぎ労働者が行っていたことはしっていた。ハワイがアメリカ州になる前に白人農場主などが中心になってハワイ王制を廃絶させていたことも知っていた。でもハワイの実態がどういうものだったかは知らない。この本は副題が「ハワイ移民の社会史」とあるように大型砂糖キビ・プランテーションでの日本人労働者を中心に世界中…
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桜井俊彰 「物語ウェールズ抗戦史」 集英社新書

 イギリスが三つに分かれているのは知っていた。北アイルランドは扱いがちょっと難しいので除いて、スコットランド、ウェールズ、イングランド、いつも仲が悪いなあと見ていた。しかし一体どうなっているの、ということで買ってみた本。  ブリテン島はケルト系、アングロ・サクソン、フランス系と入り乱れている。フランス系は同じケルト系がいたフランスのガ…
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柏原宏紀 「明治の技術官僚」 中公新書

 副題「近代日本をつくった長州五傑」にある通り長州から密航してイギリスに渡った5人、伊藤博文、井上馨、井上勝、山尾庸三、遠藤謹助等を明治を形作った技術官僚として見てその一生を追いかけた著書。  現代から見るとき明治という時代は現在を形作った大きな節目だけれども、その最初のころの模索している時代はどうだったかというのはなかなか興味深いの…
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チャンネル4 「マナーハウス」

 とうとう我慢できずに買ってしまった。好きな人にはたまらないこのDVD。英国エドワード時代の新興貴族の実際の生活を映像化したドキュメントTV。絵描きとかその手の詳細に興味のある人は写真や絵ではわからない下着や着付け、その他詳細が実際に動いているというのは貴重でしょうがない。ましてや生活の細部となると興味津々。うーん、おもしろい。  1…
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ポール・クローデル 「孤独な帝国 日本の一九二〇年代」 草思社文庫

 在日フランス大使としての外交書簡を1921年から1927年までまとめたもの。執筆者は日仏会館の創設に尽力した主要人物として有名。  外交文書なので当然のことながらフランスの国益を優先した発言が多いのだが、大変日本に親近感を持っていることもあってかなかなかよく日本を観察した内容が多い。大正の日本の政治などを直に側面からみているようだと…
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