デフォー 「ロビンソン・クルーソー」 光文社古典新訳文庫

 この物語は児童向け簡約版で読むことが多いけれど、私もその程度の知識しかなくて全訳を読んでみた。しかし読んでみてびっくり。難波して無人島にたどり着くのだけれども、座礁した船からかなり大量のものをもちだし結構な文化生活を送るし、都合よく聖書も手に入れる。島の生活で孤独に襲われるも神の恩寵に感謝して心安らかに永年暮らす。環境設定としてはアメリカあたりのTV番組の娯楽サバイバルのように、無人島に男女一人ずつ何もなしですっぽんぽんで暮らすなんて状況の方がよっぽど過酷だ。
 犬猫も難破から助かって一緒に暮らすのだが扱いはぞんざい。我ら犬好きからすると犬がいれば孤独なんて関係ないじゃんと言いたくなるところだがそこは十八世紀初めの小説。ペットなんて概念すらないから仕方ない。
 よって突っ込もうと思ったら突っ込みどころ満載なのだけれども、独白で本人も言う通り、感謝しつつよく神様を忘れる。おかげでやっちゃいけないと思いつつ次から次へと話がわき道にそれて展開していく。そこで冒険小説が成立する。訳もスピード感に注意したとあってテンポよい。ぼやきながらお勧めする。


ロビンソン・クルーソー (光文社古典新訳文庫)
光文社
2018-08-06
ダニエル デフォー

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