伊藤正男 編 「岩波講座現代生物科学8 感覚と神経系」 岩波書店
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作成日時 : 2016/11/04 15:14
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「生命の起源と分子進化」と同じく暗闇から転がり落ちてきた塩漬け積読本の一冊。刊行は1974年で「分子進化」より古い。
ガラス管微小電極を使った電気生理学的な手法での解析や電子顕微鏡での所見などニューロンや感覚器などを直接扱った話が中心になる。現代のようなPETスキャンやMRIなどない時代の話だから、生きた人間様の状態を扱う話は一切なし。そりゃそうだ。生きた人間の頭にぶさぶさ電極を突き刺すわけにゃあいかない。まわりくどい推測が多くなるが歴史本だと思って読めば面白い。
今もきっとそうなのではないかと思うのだが、この岩波講座、一般教養課程後期ぐらいをターゲットにしているのじゃないだろうか。いろいろな知識をほとんど解説なしで使っているけれどものすご-く専門的というわけじゃない。若いころひーこら言って読んだバリンスキーの「発生学」の知識がいまだに役に立つのはうれしい。いや役に立たない方が科学の進歩にはいいのかしらん。
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